JICAのベトナム活動特集!援助の最前線部隊、青年海外協力隊ボランティア編

JICAのベトナム活動特集!援助の最前線部隊、青年海外協力隊ボランティア編

出典:SDGs(持続可能な開発目標)とJICA | 国際協力・ODAについて – JICA

JICAの活動は、無償資金協力(資金援助)、技術協力、政府貸付の3つがあります。  

 無償資金協力とは、資金を無償で援助することです。

 技術協力とは、日本の技術者を派遣し、活動することです。

 政府貸付は、事業のプロジェクトに低金利でお金を貸すことです。

 

今回は、技術協力である海外青年協力隊の活動を見ていきましょう。

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海外青年協力隊とは

 海外青年協力隊とは、政府の開発援助の一環として行われているボランティア事業です。分野は、医療、農林水産など120以上の分野に分かれており、92ヶ国、約4万5千人の実績があります。

 よくアフリカの井戸掘りというイメージを持たれますが、それは初期の頃であり、いまは大きく活動内容が変わっています。政府の保健省に所属し、地方の村落を回って、生活指導、経済活動支援。学校での体育指導やパソコンインストラクター。病院での適切な指導や経営管理など多くの分野があります。

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活動のベトナム歴史 

 東南アジアでの初めの活動は、1965年ラオスが始まりです。ベトナムでの活動が開始されたのは、1995年からとなります。ベトナムは、約30年遅れて活動が始まりました。

 その理由は、ベトナム戦争、冷戦の影響により、社会主義と資本主義の対立が原因です。1991年に冷戦終結、1994年、日本の元村山首相が訪越を行い、援助の動きが活発になりました。

 当初は、外国人が村に入ることは固く禁止されていたため、ハノイでの日本語教師のみの活動でした。やがて協力隊の活動が評価され、様々な分野の協力ができるようになりました。2020年3月に海外青年協力隊はコロナ感染の世界的流行により、全隊員が帰国を余儀なくされました。2020年10月18日に菅首相が就任後、初外遊をベトナムを選んだことにより、協力隊の活動は再び動き出し、2020年11月には帰国した隊員がベトナムに戻り活動を始めました。

ボランティアの活動の仕組み 

 ボランティアの要請がされ、日本からの候補生を選んでから、派遣されるまで約1年間の期間があると言われています。そして、活動先にて2年間活動をしていきます。その仕組みとして、ベトナム側での活動と日本側の活動が同時に進行しています。

ベトナム側での要請調整 

 ベトナムでは、ハノイとホーチミンにJICA事務所があります。その事務所には、JICAボランティア調整員がおり、ボランティアの要請を精査し、JICA本部に要請を提出します。調整員は、ボランティアの活動中の健康維持や活動のサポートをしています。

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日本では、採用活動を1年に2回行い、その要請に沿った人材を選んでいきます。そして、選ばれた人材はボランティア候補生となります。候補生は、それぞれ必要な能力に対する補完研修を行い、70日間の研修をします。70日間では、209時間の語学訓練やJICA事業、感染症などの授業を受講します。70日間の訓練が終わった後に、候補生からボランティア協力隊に正式になります。

実際での活動内容  

 研修から約2週間の準備期間を経て、ベトナムに渡航します。ベトナムにてさらにベトナム語を1ヶ月を研修し、それぞれの活動地に向かいます。この記事では、日本語教師、文化財保護、理学療法士の活動を紹介します。

日本語教師の活動と学校での活動内容

出典:JICA VIETNAM OFFICE FACEBOOK

ベトナムでは、日本企業への就職の為、日本語を勉強する学生が増えています。日本語教師としての活動は、学校の同僚教師の日本語能力をサポートし、大学における日本語人材育成環境に貢献することが求められています。資格として日本語教師の資格と数年の実務経験が必要となます。

 例えば、ハノイ国家大学外国語大学では、協力隊が30名近くの授業をもち、[モデル会話]の授業では実際の仕事を想定した電話や伝言の仕方などをトレーニングしています。毎年、日本語学専攻では、卒業生の6割は日本企業に、1割が日本語教師になっています

文化財保護の活動とホイアンの街並み保存とは 

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出典:JICA VIETNAM OFFICE FACEBOOK

文化財保護の活動は、学芸員として数年の実務経験がある方が選ばれます。その活動として、ベトナム中部のホイアンの歴史的町並みの保護を行うことです。ホイアン市の多くの博物館にて、展示物の整理や改善支援などを行っています。

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中部のホイアンでは、歴史的な街並みが有名です。経済活動が進む中で街並みを保存する必要があり、ベトナム政府は、日本政府に街並みの保存を依頼したのが始まります。1992年から「町並み・考古学調査」の調査団が調査し、民間企業も加わった大きなプロジェクトになりました。1999年にホイアンは世界遺産として登録され、2003年から協力隊の活動としての技術協力がスタートしました。

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出典:JICA VIETNAM OFFICE FACEBOOK

ベトナムでは、医療支援である多くの看護師や理学療法士などの医療職の要請があります。その背景として、ベトナムでは、多くの先進国から医療器具などの支援を受けてきました。しかし、医療器具を使える人材不足により、器具を使える人材が不足している現状です。協力隊のメンバーが派遣され、現場と一緒に働くことで使い方や医療の知識を教えることができます。 

www.viet-jo.com

上記のベトジョーサイトでは、協力隊の活躍がインタビューされています。海外協力隊として活躍する長瀬さんは、日本での医療経験を途上国に活かしたいという思いで協力隊になりました。1日15人ほどの患者の治療し、ベトナム人の同僚と協力してベトナム医療に貢献されています。